CLF-C02 + 実務イメージ
ALB・NLB・GWLBの違い
「FWクラスタでよくない?」から理解する
公開日: | 更新日:
ALBやGWLBを暗記しようとすると分かりにくいですが、オンプレでよく見る「顧客 → FW → LB → Web → AP」と比較すると役割が見えてきます。
CLF-C02 + 実務イメージ
公開日: | 更新日:
ALBやGWLBを暗記しようとすると分かりにくいですが、オンプレでよく見る「顧客 → FW → LB → Web → AP」と比較すると役割が見えてきます。
Elastic Load Balancing(ELB)はAWSの負荷分散サービスの総称です。その中にALB、NLB、GWLBなどがあります。
| 種類 | 主なレイヤー | 得意な仕事 |
|---|---|---|
| ALB | L7 | HTTP/HTTPSのWebアクセスをアプリへ振り分ける |
| NLB | L4 | TCP/UDP/TLSなどの大量・低遅延な通信を振り分ける |
| GWLB | L3 | Firewall、IDS/IPSなどの仮想ネットワークアプライアンスへ通信を振り分ける |
大事なのは「どれが一番強いか」ではなく、何に通信を振り分けたいのかです。
ALBはL7でHTTP/HTTPSを理解し、ホスト名やURLパスなどの条件でターゲットグループへルーティングできます。Webアプリの入口で「このリクエストをどのサーバーに処理させるか」を決める役です。
NLBはL4でTCP、UDP、TLSなどを扱います。HTTPのURLを見て細かく振り分けるALBとは違い、ネットワーク接続を高速にさばく用途が中心です。
試験の基本: ALB=L7・HTTP/HTTPS、NLB=L4・TCP/UDP/TLS。
GWLBのターゲットは、普通のWebサーバーではなくFirewall、IDS/IPS、DPIなどの仮想ネットワークアプライアンスです。
つまりGWLB自身がFirewallなのではありません。Firewall群などへ通信を振り分ける側です。GWLBはIPパケットを受け、登録された仮想アプライアンスへフローを振り分けます。
ここが一番重要です。従来のオンプレ構成に慣れていると、この疑問が自然に出てきます。
FW-Aが通常の通信を処理し、障害時にFW-Bへ切り替える方式です。可用性を確保するという目的なら、これで要件を満たすケースは当然あります。
GWLBでは複数の仮想アプライアンスをターゲットとして登録し、正常なターゲットへトラフィックを振り分けられます。ターゲットの追加・削除もしやすく、仮想FW群を水平に扱いやすくなります。
| Active/Standby FW | GWLB + 仮想FW群 | |
|---|---|---|
| 考え方 | 障害時に交代 | 複数アプライアンスへフローを分散 |
| 待機機 | 待機する構成が一般的 | 複数ターゲットを処理に利用可能 |
| 拡張 | 製品のHA方式に依存 | ターゲットを追加・削除しやすい |
| ヘルスチェック | FW製品側のHA等 | GWLBターゲットグループで実施 |
| 向く場面 | 従来型HAで要件を満たせる | AWS上で仮想アプライアンス群を分散・拡張したい |
腹落ちポイント: Active/Standbyでも構成できる。ただGWLBを使えば、複数の仮想FWを「ただの予備機」にせず、処理ターゲットとして活用しながら可用性とスケールを設計しやすい。
ALBはHTTP/HTTPSリクエストをアプリケーションのターゲットへ届けるL7ロードバランサーです。一方、FWは通信の最終目的地ではなく「本来の宛先へ向かう途中で検査する装置」です。仮想FWなどを透過的にサービスチェーンへ組み込み、そこへIPフローを振り分ける用途にGWLBが用意されています。
GWLBはOSI参照モデルのL3で動作し、仮想アプライアンスとの通信にはGENEVE(UDP 6081)を使用します。また、同じ通信フローを特定のアプライアンスへ維持する仕組みがあります。Stateful Firewallでは同じセッションの通信を適切に扱う必要があるため、この「フロー単位」の考え方が重要です。
ただしCLF-C02学習ではGENEVEの細部まで暗記するより、GWLB=Firewallなどの仮想ネットワークアプライアンス向けという役割を押さえる方が優先です。
「ロードバランサーはFWの後ろでWebを振り分けるもの」という経験があるほどGWLBは違和感が出やすいですが、GWLBはWeb用LBの上位版ではなく、ネットワークアプライアンスを扱う別用途のLBと考えると整理できます。
ALB: L7。HTTP/HTTPS。Webアプリの振り分け。
NLB: L4。TCP/UDP/TLS。高速なネットワーク通信。
GWLB: L3。Firewall・IDS/IPSなどの仮想アプライアンス群へ通信を振り分ける。
そしてGWLBについては「FWそのものではない」「Active/Standbyを否定するものでもない」の2点を押さえておけば、かなり理解しやすくなります。